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バイオ・農学・化学の用語集
バイオ・農学・化学の用語集
遺伝子
DNA
デオキシリボ核酸(Doexyribo Nucleic Acid)の略で、生物においてタンパク質を形成する情報を伝える物質のこと。 DNAは糖・リン酸・塩基の3つの成分からなり、塩基にはA(アデニン)・T(チミン)・G(グアニン)・C(シトシン)の4種類がある。このAとT、GとC同士が結合するため、DNAは二重らせんの形状となる。 遺伝子とは、この塩基配列によって伝えられる情報であり、物質ではない。
ゲノム
ある生物の有する、その生物たらしめる遺伝情報全体のこと。 ヒトならヒトゲノム、イネならイネゲノム、大腸菌なら大腸菌ゲノムというように、ゲノムは種によって特有のものを持つ。遺伝子領域と、非遺伝子領域とが存在し、多細胞生物のゲノムにはこの非遺伝子領域が多く含まれる。
遺伝子組み換え食品
遺伝子組み換え技術によって品種改良がなされた、食品・作物のこと。遺伝子組み換え作物とも。 遺伝子組み換え技術によって、除草性や殺虫性の性質をもたせたもの。ジャガイモ、大豆、トウモロコシ、わたなどに適用されており、国内では平成21年4月の時点で、食品で98品目、添加物で14品目が安全性審査の手続きを経たとして認定されている。栽培のメリットに対し、安全性や生態系への影響などの面から反対もある。
クローン
遺伝的に同一である個体や細胞(の集合)のこと。 ほ乳類のクローンは、受精卵の胚の細胞を使用する受精卵クローンと、受精卵ではなく実在する個体の体細胞を使用する体細胞クローンとに分けられる。 人為的に特定の遺伝子を持つ個体を生み出せることから、生産性や品質の優れた牛豚や、絶滅危機にある生物などに応用できる可能性がある。しかし他の個体に比べて発達や能力が異なる可能性や、倫理的な面などが問題視されている。
カルタヘナ法
正式には「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」という名前の法律で、2004年2月19日に施行された。 2003年、日本がカルタヘナ議定書の締結国となったことをうけ、その内容を守るため国内の取り決めを示したもの。遺伝子組換え生物などの使用、管理、輸送方法などを、実験室内・培養タンクなどで使用する場合と、田畑などで使用する場合に分けて定めている。
優生学
ある人種の遺伝的要因に介入し、改良しようとする立場で、1883年にイギリスのF・ゴルトンが初めて用いた。 原語はギリシャ語のeugenicsで「よいタネ」の意味。ゴルトンは自然の淘汰というメカニズムが人類の文明によって妨げられていると考えた。その後優生学は、意図的・選択的な生殖や出生に関連づけられるようになった。
突然変異
遺伝情報に起こる変化のこと。 本来遺伝情報はDNAによって忠実に複製されていくはずであるが、物理的・化学的な何らかの原因で、DNAの塩基配列や染色体に変化が生じる場合がある。人間が関わらない自然状態においても突然変異は起こりうるが、化学物質やX線、放射線などを用いて、人工的に誘発させることも行われている。
化学
pH
水素イオン濃度指数の略で、酸性・中性・アルカリ性を表す1から14までの指標のこと。 pH7ならば中性で、それより高ければアルカリ性、低ければ酸性となる。人の皮膚は平均してpH5-6なので、化粧品・せっけんなどにおいて、肌に近い弱酸性のものを使用するのが良いとされている。
生分解性プラスチック
微生物によって水と二酸化炭素に分解されるプラスチックのこと。 トウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどのでんぷんを原料に用いることが多い。完全に水と二酸化炭素に分解されるものと、通常のプラスチックを混入させるため、分解後に細かいプラスチックが残留するものとがある。 原料に植物などを用い、限られた資源である石油の使用量を抑えるという概念をもった、バイオマスプラスチックなどもある。
窒素固定(nitrogen fixation)
窒素ガスをアンモニアや硝酸などの、生物が利用できる形に変換すること。 窒素固定はある種の細菌などによっておこなわれる生物的窒素固定のほか、工業的な方法について言うこともある。植物は窒素ガスの状態ではこれを取り込むことはできず、アンモニアイオンや硝酸イオンの形で根から取り込む。マメ科の植物と共生している根粒菌は、この窒素ガスを変換する機能を持っている。
フェノール樹脂
プラスチックの1つで、熱硬化性の性質をもつ合成樹脂のことである。 合成樹脂は大きく熱硬化性樹脂と、熱可塑性樹脂とに分けられる。熱硬化性とは加熱により硬くなる性質のことで、フェノール樹脂は熱に強く、燃えにくく、電気を通さないなどの特徴をもつ。その特徴を活かし、家電製品などの電気・電子部品や、アイロン・鍋・やかんなどに用いられる。
環境
ビオトープ
生物が住むところという意味の、ドイツで生まれた造語。 厳格な意味では、その場所の生物によって生態系が構成されている場所といえる。しかしその意味する範囲は広く、自然本来の姿、環境の損なわれた土地をもとに戻すこと、人間の住む場所に作られた生物の成育空間などとして用いられる。自然環境・生態系の回復などの意識から、人工的に護岸工事がなされた河川を、生物が住む環境に工事するなどの取り組みが行われている。
バイオエタノール
さとうきびやトウモロコシなどの植物、さらには廃材やわらくずなどの植物資源から作るエタノールのこと。 ガソリンに混合して利用するのが一般的で、日本では3%まで混合しても自動車の運行に支障はないとされている。 燃料として燃焼するときに排出する二酸化炭素量よりも、原料となる植物が成長するときに行う光合成によって吸収する二酸化炭素量のほうが多いと考えられるので、大気中の二酸化炭素の総量に影響は無い。
生物
ワクチン
病原体感染を予防するために用いられる物質で、抗体とも呼ばれる。 ワクチンは、病原菌から人体に悪影響を与える毒を取り除いたもの、あるいは弱めたものから作られ、それを体内に入れることで免疫を作り、感染症にかかりにくい体にする働きがある。病原性・毒性を弱めたウイルスを用いる生ワクチンと、すでに死んでいるウイルスを用いる不活化ワクチンとがある。
ホルモン
生理機能に影響を与える、生理活性物質の1つ。 個体内の特定の器官(内分泌器)の細胞から分泌され、体液に溶け出し、別の特定の器官の働きに影響を与える。非常に微量で効果を発揮する物質であり、ビタミンや化学伝達物質も、ホルモンと同じく生理活性物質である。
酵素
生物体内での化学反応において、触媒としての働きをするもの。 触媒として働くとは、化学反応を早めるということである。例えば、体内で食物を消化・分解するのは消化酵素の働きである。また、それぞれの酵素の働きは1つしかしない。消化酵素アミラーゼが働くのはデンプンだけであるというように、反応する物質が決まっている。
免疫
生体を、体外から入ってきた異物を判別・除去することで保護しようとする働きのこと。 免疫の働きは、主に血液中の白血球が担っており、このため白血球を免疫細胞と呼ぶこともある。後天性免疫不全症候群(AIDS)とは、その名の通り、免疫システムが正常に働かなくなる病気のことである。
ES細胞
胚性幹細胞(Embryonic Stem cells)のことを指す。 人体を形成するあらゆる細胞を作り出すことが可能な細胞。受精卵が成長する初期段階の胚からICMという細胞を取り出し作成される。安全面・免疫拒絶などの問題があるが、目的の細胞へと成長させることができれば再生医療などに活用することができると考えられている。
フェロモン
動物の発する、同種の別の個体に特定の効果をもたらす物質のことを指す。 性フェロモン、道標フェロモン、集合フェロモン、警報フェロモンなど、他個体の行動に直接的に影響を及ぼすものをリリーサーフェロモンといい、他固体の内分泌系など生理機能に影響を及ぼすものをプライマーフェロモンという。昆虫の行動、社会においてはフェロモンの効果は重要であり、研究も進んでいる。
iPS細胞
誘導多能性幹細胞、または人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell)のことを指す。 他人の受精卵ではなく、本人の皮膚細胞をもとに作成するため、拒絶反応が起こらない。 また、もともと人間に成長しうる受精卵を使うという倫理的な問題も回避することができる。
恒常性
生物において、その形質的・生理的な諸変化を、一定の状態に調整し、安定させようとする自立的な性質のこと。 ホメオスタシスとも言われ、自律神経やホルモンの働きによって機能する。心拍数、血圧、体温などの調整の他、傷の修復も恒常性の働きによって行われる。生物が生物であるための要件や、健康を定義する要素などとも言われる。
発酵
微生物が有機化合物を分解し人間にとって有益な物質、主に食品を作り出す現象のこと。 ブドウ糖などの炭水化物が分解され、乳酸やアルコールなどになることを指す。これと似たもので、人間にとって無害な物質を作り出す現象を、腐敗という。発酵によって製造される食品としては、しょうゆ・味噌・納豆・酒・ヨーグルト・チーズなどがある。
その他
バイオ技術認定試験
バイオ技術を利用できる能力・知識を認定する、民間機関による試験。 初級、中級、上級の3つに分かれており、初級は農業・工業高校などの学生向けである。中級は大学・短期大学・専門学校などでバイオ技術を修得している者や、バイオテクノロジーに関連する実務経験者などが対象で、上級は更に高度な知識・技術が求められる。製薬・食品・化粧品などのメーカーや、バイオテクノロジーに関連する企業・組織などで活躍できる。
バイオ化粧品
バイオテクノロジーによって生産された成分を用いた化粧品のこと。 ヒアルロン酸などの、従来の技術では少量しか産出できなかった成分や、入手できなかった成分などが、細胞培養技術などで大量生産できるようになった。当初は医学・薬学などの研究分野であったが、ニーズの大きさから現在は化粧品メーカーにおいても盛んに研究されている。
農学
植物工場
高度の環境整備を行い、植物を計画的に生産するシステムのこと。 太陽光を用いない閉鎖的な環境で栽培を行う完全制御型・完全人工光型のものと、太陽光の利用をもとに栽培を行う太陽光利用型とに分けられる。人工の光源や空調設備、養液栽培などの技術を駆使し、作物の収穫時期や収穫回数をコントロールする。農業の効率化を目指しているが、作物の質やコストの面で問題がある。
食料自給率
国内の食料消費が、自国の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標のこと。 食料の重さをもとに算出する重量ベース自給率や、食料のカロリーをもとに算出するカロリーベース自給率などの計算方法がある。
連作障害
同じ土壌で同じ作物を作ると、作物の生育が悪くなること。 土壌の肥料となる栄養バランスの乱れや、特定の病原体の増加などが原因とされる。連作障害を引き起こしやすい作物としては、ナス、トマト、ジャガイモなどがある。土壌改良や、同じ作物を続けて作らず、他の作物とローテーションさせる輪作などを行い、予防する。
ハイブリット・イネ
F1種の持つ雑種強勢を利用した多収穫イネ。 F1種とは「一代交配種」「雑種第一代」などと呼ばれる、人為的に開発された交配種のことをさす。雑種強勢とは、2つの異なった種間・品種間で交雑を行った場合に、その一代雑種が両親に比べ成長が早かったり、たくましかったり、大きかったりするという現象のこと。通常のイネの3~4割増の収穫があるといわれるが、大量の肥料の必要性・病気への対応などの課題がある。
地産地消
地域で生産されたものを、その地域で消費すること。 国の基本計画では、地域での生産・消費だけでなく、その活動を通じて農業者と消費者との通じ合いも目的とされている。生産・輸送などのエネルギー削減や地域活性化に役立つと考えられ、学校給食などに採用されている。
化学肥料
肥料のうち、化学的に合成したもの。 有機肥料が土壌で分解されてから養分として吸収されるのに対し、化学肥料は一般的に速効性のものが多い。肥料の3要素といわれる窒素・リン・カリウムなどの成分を、1つだけ含むものを単肥といい、2つ以上含むものを複合肥料という。問題点としては、硝酸体窒素の問題や、土壌がやせるなどの問題がある。
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