ワインやビールなどのお酒やしょうゆ、または味噌、チーズ、納豆など、醸造・発酵によってつくられる食品は、微生物の力を借りて生み出されています。
この微生物を使った食品の製造法にはまだまだ沢山の可能性が秘められており、昔ながらの製法や最先端の技術を用いながら、今日も開発が進められています。
今回は醸造と発酵に関わるエキスパートのお仕事を紹介していきましょう。
醸造と発酵の仕事
発酵食品技術職
発酵を簡単に説明すると、微生物や酵素によって有機物が分解され、人間にとって有益な物質をつくりだす現象です。
発酵食品技術職は、このような発酵工程をチェック・コントロールします。
また品質を一定に保つために、各生産工程において分析検査をするなど、商品の品質管理を担当することもあります。
醸造技術職
さまざまな微生物による発酵作用を用いて、酒類やみそ・しょうゆなどの調味料を製造し、管理や研究をするのが醸造技術者の仕事です。
原料のわずかな違いでも味や香りなどに差が出ることがあり、醸造技術者は原料の成分を分析し、原料が醸造に向いているかどうかを判断します。また、最近では醸造時の温度管理にコンピュータを用い厳密な調整を行います。醸造は昔から存在する伝統的技術ですが、醸造技術者はバイオテクノロジーも駆使して、さらなる進化をさせていきます。
微生物研究技術職
微生物を活かした新しい商品や発酵技術を開発します。微生物というと、なんとなく悪者のようなイメージがありますが、チーズやヨーグルト、パン、みそなど、美味しい発酵食品を作る際には欠かせないものです。しかし、この微生物の働きしだいで、食品が発酵するか、腐敗するかが分かれてくるのです。
このように、微生物をどのような食品にどれだけ与えれば発酵し、どのような風味になるかを調べたり、微生物の有効活用やさらなる可能性を研究するのが微生物研究技術職です。近年では医薬品分野への進出も注目されています。
醸造発酵のプロをめざす
醸造発酵に関する職に就くには、微生物に関する知識を身につける必要がありますので、やはり専門の学校に通うことをおすすめします。専門学校では、醸造・発酵食品の生産工程や品質管理、分析化学、微生物の取扱などの知識が身につきます。また、専門学校では中級バイオ技術認定試験、食品衛生責任者、危険物取扱乙種第4類などの資格の取得サポートを行っているところも多く、これらの資格があるとバイオ技術者としての就職にも役立つようです。
最近の健康ブームの影響で、醸造・発酵食品は脚光を浴びつつあります。例えば、お酢も発酵食品の1つですが、疲労回復やダイエット効果があると考えられ、多くの人に親しまれています。発酵食品は食材を発酵させることにより栄養成分が増すだけでなく、消化吸収を促す働きも持っていて、健康を増進するための食品として海外でも注目されはじめているようです。
バイオテクノロジーの原点と言われている醸造発酵の技術は、微生物の持つ潜在的機能の研究を重ねることによって、計り知れない可能性を見いだせると考えられています。あなたも、奥深い醸造発酵の分野をのぞいてみませんか?

